大判例

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東京高等裁判所 昭和40年(う)176号 判決

被告人 黒田年雄

〔抄 録〕

所論は、本件被告人の所為は刑法第二〇八条の単純暴行罪に該当するものとして処断さるべきものであるところ、原判決はこれを常習としてなされた暴行と認定し、暴力行為等処罰に関する法律第一条の三に問擬した違法を犯しており、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであると主張する。

そこで記録を検討してみるに、被告人は少年時代にすでに三回傷害幇助、傷害助勢、恐喝事件等で東京家庭裁判所において調査又は審判を受け、保護観察に付せられたこともあるのに拘わらず、更にその後も傷害、暴力行為等処罰に関する法律違反、恐喝等により三回処罰を受け、そのうち恐喝については懲役一年六月、執行猶予三年に処せられ猶予の期間中保護観察に付されたものであつたのに同期間中に更に本件に及んだものであることが明らかであつて、これらの点から見れば被告人にはいわゆる暴力行為を行う習癖が有するものと認めて差支えなく、本件もその性癖の徴表としてなされたものと言うべきであるから、原判決が本件被告人の所為をもつて常習としてなされた暴行と認め、暴力行為等処罰に関する法律第一条の三に問擬処断したことは正当であり、原判決には右の点に関する事実誤認乃至法令の適用の誤はないから論旨は理由がない。

(樋口 小川 金末)

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